I like monotone world

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「また……教えてもらっちゃったね、ルダ」 目から溢れるそれが何なのか、あたしには分からない。 ねえ、ルダ。 君はいつも、色の話を沢山してくれたよね。 それがとても楽しくて、楽しみで……でも今は、どんな話だったか思い出せないよ。 みんながあたしとルダに近づいてくる。でも、あたしの耳には何も聞こえない。……聞きたくない。 ねえ、ルダ。 色の無い世界って、そんなに嫌な世界だったかな? あたしは君と一緒に旅をした今までの時間が、色付いて見えてたよ。 君がいない世界は色が有るのに、私の瞳には色が無いように見える。 あたしにとっての色の無い世界は今何だと、初めて気づいた。
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