ようこそ、すいーつプラネット!

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カラン、カラン、と音がする。と同時に、私は目を疑った。 外観と違って薄暗い店内には、淡い光……見上げた天井には、キラキラ輝く星々……。 「うわぁ……!」 あまりの興奮に、思わず大きな声が漏れる。慌てて口を塞いで、その美しい天井を見つめ続ける。 すいーつプラネット――それがこのお店の名前。噂では天文学者だった店長さんが大のケーキ好きで、どっちもお客さんに楽しんで喜んでほしいという思いで建てたらしい。 「あ、えっと……すいませーん! 求人募集のチラシを見て来たんですけどー!」 ハッと我に帰って、私は叫んだ。そう、今日ここに来た目的はこの素敵な世界に見とれることじゃない。 「はいはーい、ちょっとこっちに来て下さーい」 眠たそうな誰かの声が奥から聞こえてくる。ドキドキしながら、私は声のした方に駆け出した。
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