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上半身を動かしたことで、掛け布団がベットからずり落ち、枕元にあったクマの人形が落ちる。
誰が持ってきたのだろう、と考え、それをうち消す。
ここに来る人間など、千絵にとってはどうでもいいのだ。
少なくとも、その話を誰かとすることもないし、知っても意味はない。
千絵が、それを拾うこともないのだ。
何度か女が咽せるような音を出す。
それをじっと見下ろしながら、枕元のテーブルの一番遠い位置にコップを戻した。
それを恨めしそうに追う女の視線を見て、千絵は堪えきれずに吹き出した。
一度笑い始めると、我慢しようとすればするほど突き上げるような振動が身体を襲う。
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