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千絵の目的はこの二階にある。
エレベーターに乗り込むと、その狭さに息苦しさを覚える。
数秒も経たないうちにドアが開くと、急かされるようにそ
こから出た。
「あ……。青山だろ」
下りたすぐのフロアに、一人の男が立っていた。
千絵の名字を知っている彼は、スーツを着こなし体格も良くなっている。
「もしかして、清水君?」
千絵が言うと、彼は八重歯を見せて大きく笑った。
そして、それがまるでいけなかったとでもいうように、真面目な顔つきになる。
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