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期待に胸が膨らみ、大きく息を吸う。
その瞬間、彼女が目を開けた。
上下に規則正しく動いていた掛け布団が、一瞬動きを止める。
彼女は、どこまで見えているのだろうか。
千絵は、手に持ったそれを隠すことなく見下ろした。
トイレはついさっき済ましているはずだ。
昼食も残さず食べたらしい。
この時間はおやつにも早い。
だが、この女の欲深さはまだ身体の奥底に根付いているようだ。
それを断ち切ってやろうと、再び大きく息を吸う。
千絵に気づいた女が、布団の中から色白く変色した手を出した。
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