創詩の魔術教室

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その頃、ちょうどもう一方の大陸で覇権を握っていた『ローゼン帝国』は、テスタ王朝の宣戦布告に対し激怒。 当時の皇帝であるフィリップ3世により、テスタ王朝への侵攻が始まる。 やがて2つの勢力は各国を巻き込んでいき、いつしか東西の大陸で世界大戦が勃発した。 この一連の出来事を、『テスタ大戦役』と呼ぶ。 「……だそうだ」 「微妙だな。詳しい説明が避けられてる感じ。意図的にぼかしてるような気がしてならない」 「だよなぁ。それに、俗説ってのをわざわざ載せてるのも気になるぞ。欄外じゃなくて、本文に堂々と説明されてあるのが余計に」 改めて考えると、かなり不自然な点が多い。どうでもいいことばかりで、肝心な内容が薄いからなぁ。 結局、分かったのはこの世界大戦、裏で操ってたやつがいるってことくらいか。この不自然な文章も、その人物が改変したと見ていいはずだ。 「ちょっとした疑問を解決するつもりが、藪をつついて蛇が出て来ちまった感じだな」 「この件は保留な。どこに目や耳があるかわかりゃしない」 ちなみに、このテスタ大戦役は痛み分けで終わり、それ以来この世界ではことあるごとに対立しているらしい。ある意味、まだテスタ大戦役は続いているのではないだろうか。
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