5336人が本棚に入れています
本棚に追加
/104ページ
その頃、ちょうどもう一方の大陸で覇権を握っていた『ローゼン帝国』は、テスタ王朝の宣戦布告に対し激怒。
当時の皇帝であるフィリップ3世により、テスタ王朝への侵攻が始まる。
やがて2つの勢力は各国を巻き込んでいき、いつしか東西の大陸で世界大戦が勃発した。
この一連の出来事を、『テスタ大戦役』と呼ぶ。
「……だそうだ」
「微妙だな。詳しい説明が避けられてる感じ。意図的にぼかしてるような気がしてならない」
「だよなぁ。それに、俗説ってのをわざわざ載せてるのも気になるぞ。欄外じゃなくて、本文に堂々と説明されてあるのが余計に」
改めて考えると、かなり不自然な点が多い。どうでもいいことばかりで、肝心な内容が薄いからなぁ。
結局、分かったのはこの世界大戦、裏で操ってたやつがいるってことくらいか。この不自然な文章も、その人物が改変したと見ていいはずだ。
「ちょっとした疑問を解決するつもりが、藪をつついて蛇が出て来ちまった感じだな」
「この件は保留な。どこに目や耳があるかわかりゃしない」
ちなみに、このテスタ大戦役は痛み分けで終わり、それ以来この世界ではことあるごとに対立しているらしい。ある意味、まだテスタ大戦役は続いているのではないだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!