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「2人とも。この『ウォーター』の意味、分かるか?」
「う~ん……」
「……あ、水?」
「そう!で、今まで出来ていなかったのは、『ウォーター』から水が想像できなかったんじゃないか?」
フランとアルタイナは、人差し指を口元に当てながら考える。姉妹揃って、まったく同じ挙動をするものだから、思わず笑ってしまった。
「ん……『ウォーター・バレット』!」
フランが徐に右手を突き出し、的に手のひらを向ける。術名を唱えた瞬間、その手からは大量の水の弾丸が飛び出した。
「わわわっ!?」
「うおっ!……すごいなフラン。今の、かなり魔力が籠もってたぞ」
「ふぇ?」
なぜか、俺の言葉を聞いて首を傾げるフラン。隣ではアルタイナが悶えているが、それは無視だ。こら、ケイト!可哀想なものを見る目で見ちゃいけません!
「ねぇソウシ?私、魔力が少ないはずなんだけど……。だから今まで、簡単な魔術しか使えなかったんだし」
「え?……あ、もしかしたら、魔力が大きすぎて複雑な術式が組めなかったのかも。誰がフランに魔力少ないって言ったんだ?」
「父様だよ!……あのクソ親父、後で覚えてろよ……」
ふ、フランが最近、グレてきたような気が……。どうしよう、どこで教育を間違えたのだろうか……。
「さって、フラトナーダに負けてられないわ。『ウォーター・バレット』!」
ガガガッ!と水の弾丸が発射。フラン程ではないが、かなりの威力だ。
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