創詩の魔術教室

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ーーーーーーーーー 「おーい、魔王」 「ん……?なんだ、創詩か。どうした?」 「いやぁ、飛空挺はどうなってんのかなって」 執務室を訪ねた俺は、政務で忙しい魔王を気遣うことなく言い放った。だって魔王だし。難しい顔をして書類とにらめっこしていた魔王は、明らかに嫌そうな顔をしながら、隣のシャルにアイコンタクトをする。 「えーっと……八割方完成だそうだよ。多分、一週間もあれば直るんじゃないかな」 「そっか……俺ら、飛空挺完成したら旅立つから」 あ、魔王の手から書類が落ちた。シャルがすっころんだ。なんだコイツら、楽しい。 「聞いてないぞ、ソウシ!?」 「そりゃあ、言わなかったし」 「フラトナーダの世話係はどうするんだい!?もう少し予定をずらして……」 「悪いシャル、そう悠長にしてられなくなったんだ」 「……何があった?」 俺は2人に、色々とやるべきことがあること、そして気になることがあることを説明した。仲間の望みは出来る限り叶えたいし、この前の歴史書のことも気になる。 俺とケイトの考えが正しければ、長年ヒトと魔族が戦争をしてきた影には裏がある。もしそれを何とか出来れば、グッと戦争を終わらせる可能性が上がるような気がするのだ。
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