陽射し

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放課後 「切れ痔はさ、何かを失った気分にさせるよ。スゲーよ、喪失感」 サンタこと、三ノ宮大河は、さっきから痔について熱く語る。うんざりだ 「早く治せよな」 耕輔の家に向かう道すがら、サンタと春人と落ち合って、一緒に歩いていた。 光井は逃亡を試みて、ロバートに捕獲されていた。一安心だ。 「晃、歌詞書いた?」 「2曲書いた、あと1曲」 ヴォーカルの春人は歌詞を書かない。 書けないと言ったほうが、いいのかもしれない。 バンド結成直後、奴が書いた歌詞らしき物を見せられた。 こんな内容だ。 タイトル・「BAD」 ジーザスマッド 温厚FLIHTの魂込めて 塩と胡椒が交差する DVDの中身、入ってなくて 分厚い小説の続きが気になる BAD DAY 明日まで胡椒 BAD DAY 明後日は塩 まず、塩と胡椒が交差する状況が分からない。 素晴らしい歌を歌うくせに、とんでもない歌詞を書いて、それを「最高傑作」と賞している。 カッコイイ顔をして、バンドでヴォーカルをやっている。 おかげで、ずいぶんモテているそうだ。 それがうちのヴォーカルだ。 だらだらと歩いていると、窓を開けてこちらへ手を振る耕輔が見えた。 右側のサイドを刈り上げた、特徴的な髪型が目立つ。「鍵~!」と自分の家の鍵を投げてよこす。 ロバートと光井はまだ来ていないらしい。
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