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広い玄関を抜けて、階段を昇る。
耕輔の部屋は、二階の半分を占めている。
奴の親は金を持っている。
部屋に入ると、インド香の香りに包まれた。
これはたしか、ミルレとかいう香りだ。
樹脂系のいい匂いがする。
「らっしゃい、ビール飲むか?」
『飲むー!』
と春人とサンタが声を合わせる。
「晃は?」
「貰うよ、悪いな」
「ロバート達、もうすぐ着くってさ」
「俺達より早く出たのに、どこ行ったんだ?」
「マックで食料調達してくるってさ」
耕輔は眠そうに、まるでアニメキャラのような頭を掻く。
「明日はサボらないで来いよ。練習したいし」
「行くよ。一人でギター弾いてもつまんないんだ。」
俺と耕輔の会話を無視して、サンタが勝手に冷蔵庫を開ける。
「耕輔~、ビールくれ~」
「呑め~いっぱいあるぞ」
呆れて、ため息を吐く。
このユルさはなんだろう。
ふと、妙に大人しい春人を見る。
エロ本に夢中だ。
呆れて、ため息を吐く…。
「よー!わっつあっぷ!?」
部屋のドアが勢い良く開き、光井が入ってきた。
ロバートも後に続いている。
両手には袋が6つ。
「それ…、全部ハンバーガーか?」
「おう!全種類適当に買った!」
「ポテトもあるよ~」
満面の笑みでロバートが袋を翳す。
さすがはアメリカ人。
ハンバーガー大好きだそうだ。
いや、俺も好きではあるが。
腹を減らした俺達は、無言で袋に手を伸ばした。
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