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食い過ぎた…。
のは俺だけで、他の連中はケロリとしている。
「さて、みんな聞いてよ」
ロバート、口にレタスがついている。が、とりあえず放っておく。
「来月、レコーディングです。今回はシングル出すよ。売れればウハウハね!」
どこのバカがウハウハなんて教えたんだ。
「A面、何にする?まだ歌詞出来てないのあるけど
」
耕輔がギターに手を伸ばす。
「アップテンポがいいよ。内田さんは早いの好き」
内田とは、ロバートがどこからか見つけてきた、インディーズレーベルの社長だ。
とても胡散臭いが、仕事はできるらしい。
「ロバート、あのオッサンにこれ以上BPM上げたら死ぬって言ってやれ」
光井が、ウィスキーをグラスに注ぎながら叫ぶ。
「ミーは天才ね。私が今まで見たドラマーの中で一番。だから、大丈夫です」
「…そうか」
何に納得したのだろう。
「まずは、来週のライヴで客の反応観てみるか」
「それがいいね。みんな、ライヴまでに停学になったら契約違反ね。ぼてくり回すよ」
と言って、ロバートはニッコリ笑った。
「ロバート」
耕輔が言うであろう言葉を、思わず俺も声に出してしまった。
『日本語上手くなったなぁ』
ロバートは満面の笑みで、応える。
「Thank You!!」
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