憑き憑かれ

5/10
前へ
/10ページ
次へ
それから裕太は外出しなくなった。得体の知れない恐怖に毎日怯えながら生活していた。 ある日、親の怒鳴り声で目が覚めた。時計を見ると深夜の2時だった。 「あいつはやはり一度病院に入れるべきだ!」 父親の声だ。父はあの事件以来、裕太のことを『あいつ』と呼ぶようになった。 「でも……」 母親の声だ。母は裕太のことを信用してる唯一の人間だった 「俺は、あいつとはもう付き合いきれない!病院に入れないのなら離婚だ!」 そう言い裕太の父親は家を出て行った。残ったのは母のすすり泣く声だけだった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加