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それから裕太は外出しなくなった。得体の知れない恐怖に毎日怯えながら生活していた。
ある日、親の怒鳴り声で目が覚めた。時計を見ると深夜の2時だった。
「あいつはやはり一度病院に入れるべきだ!」
父親の声だ。父はあの事件以来、裕太のことを『あいつ』と呼ぶようになった。
「でも……」
母親の声だ。母は裕太のことを信用してる唯一の人間だった
「俺は、あいつとはもう付き合いきれない!病院に入れないのなら離婚だ!」
そう言い裕太の父親は家を出て行った。残ったのは母のすすり泣く声だけだった。
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