始まり

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「いや~見てないね」 …こいつ…! あっさり答をひっくり返されてしまった。 「じゃあなんで知ってるんですか!」 クア~…。 …人が真剣に訊いてるのに…その反応はなんだ! 「別に~いいじゃん」 「よっ…よくないし!困る!」 私が大慌てでそう言うと、歩がいきなり顔を近づけてきた。 …き…きす?! ちょ…ちょっとまってぇ! 心の中で叫び、思わず目を瞑ってしまった。 だが暫くしても何も起こらない…。 恐る恐る目を開くと― 「何やってんだ?」 、歩の顔がすぐそばにあった。 「ち…近い!」 私が顔を引きながら赤らめて言うと、ニヤっと黒田が笑いながら― 「チューされるかと思った?」 ………!
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