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「すみません、少しお時間をよろしいですか?」
「え?」
コンビニから帰る途中、近くの公園を抜けようとした私は突然何者かに呼び止められた。
何かのキャッチだろうか。
最近宗教の勧誘が増えてるって話だし……。
振り返った先にいたのは、やたらと華美なスーツを着飾る男。伊勢丹の紙袋みたいな感じ。
男性をもう一瞥すると、知的な紫縁の眼鏡に、胸元には神々しさすら感じる光沢を放つバッジ、なんとなくインテリぶってる顔立ちをしてる。
「はぁ、まぁ……少しだけなら……」
ただ雑誌買いに行っただけだけど、ちょっと危ない感じなら、すぐに逃げよう。
「あっ、このバッジですか、凄いんですよ、LED内臓なんです、神々しいでしょう?」
「へえー、そうなんですかー」
知らねぇよ。わざわざ光らせる意味も。
取り敢えず私達は公園内のクレープ屋があるテラスのベンチに座り、彼の話を聞くことにした。
「何か食べます?私、買ってきますけど」
奇妙なスーツを着こなす彼に尋ねた。
「いえ、私は食べられないので、お気持ちだけで」
甘い物は苦手なのだろうか?なら私も食べないでおこう。
彼は持っていたボードを一瞥し、一つ咳払いして、言った。
「では最初に、ハンバーガーはお好きですか?」
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