プロローグ

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一階を走り抜け、玄関の扉を開ける。すると目の前で、見覚えの無い緑色の物体がうろうろと歩いていた。 話し掛けてみる。 「ボク、草人(くさびと)」 「草人ね、よろしく」 …草人というらしい。 草だからこんなに緑色なのか。 「世界は、みるひとのイメージでかわるんだって。知ってた?」 「ううん、知らなかった」 見方や目線によって世界が変わるのは私も知っている。 でも、草人が言っている事と私の知っている事、このふたつが同じ意味のように聞こえなかった。 だから、試しに知らないと答えてみる。 「ぼくが、ドミナの町があると思うから、あるんだって。詩人のポキールも言ってたよ。世界はイメージなんだって。他の人はチガウって言うけど草人はそれを知ってるの」 イメージ?そんなもので世界が成り立っていると? 草人の話についていけなくなってきました。
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