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草人と別れ出た場所は、無の世界だった。なにもかもがまっさらさらで、影1つ無い。
途方に暮れかけた私は、手元で鈍く輝く積み木をちらりと見た。
ちょっと、あの草人の言葉を信じてみよう。
藁をも掴む思いで目を瞑る。
「イメージ…、イメージ」
豊かで活気があり、町人が楽しげに笑っている様子をイメージする。
目をゆっくり開くと、イメージした通りの町がすぐ近くに在った。
「すご…」
草人の言葉を疑った自分を蔑む様に笑うと、ドミナに向かって歩き出した。
運命が動き出すのは、まだまだ先。
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