続・踏み出し

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「ほんとに君はお父さんにそっくりだ」 堪えきれないように笑う、玲苑の父親。 「お父様……今日はお願いがあって来ました」 「お願い?なんだい改まって……まさか翔くんと結婚するのかい?」 「っけ、けけこ!?結婚!?違います!」 顔を真っ赤にする玲苑。その瞬間、パシャパシャとあちこちから音がした。 何事かと辺りを見回す。全メイドロボたちがカメラを構えていた。 ……これにはオレもちょっと引いた。 千秋なんてあからさまに苦笑いしている。 「ふぅ…………猫を飼いたいんです」 落ち着いてから玲苑が本題に入った。 「猫?飼えばいいじゃないか」 「ちょっと大きいので今の部屋じゃ飼えないんです」 玲苑、ちょっとじゃないぞアレは。全然ちょっとじゃない。 すごく……大きいんだ。あれは。 「分かった。改築をしておくよ。そんな事、わざわざ頼みに来なくても………あぁ…なるほど……」 なにやら納得している玲苑父。ニヤニヤしているが、爽やかな印象しかない。ここまで爽やかだと逆に気持ち悪いものだ。  
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