誰がために

2/9
前へ
/19ページ
次へ
「おはよう諸君!随分久しぶりだったなフハハハ☆今日のニュースはこちらっ!なんと有名タレントが………」 ブツン と『おはよう諸君』からテレビのチャンネルを変える。 無駄にテンションの高い司会だったな…… 「に……兄さん……?」 「おー、おはよう千秋」 起きたばかりの千秋がオレを見て驚いている。 そりゃそうだ。今は朝の6時。 本来ならオレはグースカ寝てるハズだからだ。 「お、おはようございます……兄さん早起きですね?なんか悪い夢でも見て目が覚めたんですか?」 「あぁ実はそうなんだよ……。夢の中でオレが小説家でさ、〆切に追われる夢を見たんだ……」 ほんとに辛かった。 「そうなんですか……まぁ夢で良かったじゃないですか。もう少し待っててくださいね、今ご飯作りますから」 ほんとにいい妹だ、と思う。 千秋を嫁にもらった男は、嫉妬で呪い殺されるんじゃないだろうか? ていうかオレが呪い殺ゲフンゲフン 「兄さん、今日から学校ですね」 そう。夏休みが終わり、今日から学校なのだ。 「そうだなぁ……気合いいれるか!」 「気合いいれすぎて無茶はしないでくださいね、兄さん?」  
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5095人が本棚に入れています
本棚に追加