誰がために

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そして春姉が起きたり、夏姉を起こしたり、あんなことやこんなことがあって今は始業式。 生徒会長からのお話だ。相変わらず神山の短いお話は人気があるようで、壇上に上がる時点で校長よりも拍手が多い。 まぁ夏休みが終わったばかりの時期はまだ暑いからな。 そんな時、クイクイと袖を引かれた。ふと見ると愛奈が袖を引っ張っていた。 「ん?なんだ愛奈?ていうかなんでここにいるんだ?愛奈もっと後ろだろ?」 「……細かいこと気にすると……クスッ」 「怖いわ!……で、なに?」 「……冬花っち……じっと見つめてみて」 「?」 言われた通り冬花をいつも以上に見つめてみることにした。 ※神山視点 さて、始業式での挨拶だ。正直な所、短く済むのは私としても楽だったりする。 壇上に上がると拍手が起こる。校長先生より大きいのは少し悪い気がするがもう慣れた。 さぁ、話すぞ! 「みなさん、おはようござい……!?」 天沢が……天沢がこっちを凝視している!? え!?ちょ……なぜだ!? 今までこんなことはなかったのに! ま、まさか私をいやらしい目で見ているのか!?天沢のために磨きあげてきたこの絶対領域に夢中なのか!?それとも愛してるのサイン!?さてまた、この始業式が終わったら体育館倉庫に来い、そこでお仕置きしてやる的な!?なんのお仕置きか分からないまま私は天沢にお仕置きされてごめんなさいごめんなさいと謝るんだが、天沢は許してくれる気など見せず……いや一瞬見せて私に希望を持たせるんだが、そこでニヤリと笑い……! ※翔視点 なんか神山の挨拶が止まった。口をパクパクさせ顔を赤らめながら、ずっと止まってる。 生徒がざわざわし始めたころ、神山が倒れ、副会長が神山をズルズルと引き摺って行った。 会場は騒然し、始業式はソッコーで終わることになった。
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