誰がために

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「分かったぞ!犯人は千秋だな!」 ババーンと千秋を指差し高らかに宣言する俺。 「ち、違います!犯人は違う人ですよ」 必死に誤魔化そうとしている千秋の隣で、玲苑が『やってしまった』という申し訳なさそうな表情を浮かべていた。 「……ま、聞かなかったことにしておく」 「そうしてくれると助かります……」 「ち、千秋ちゃん……ごめんね……」 大丈夫だよ、玲苑の頭を撫でる千秋。 おぉ眼福眼福。 「まぁ劇っていっても、演劇部には勝てないと思うので映像作品になるみたいです」 「それじゃ文化祭当日は基本的に遊べるってことか」 それまでは大変だろうけど。ていうか映像作品のほうが面倒くさくないか……? その時!俺に電流が走る! 千秋が役を張るのなら……練習が必要なわけだ! こ、これは家で 『兄さん、練習に付き合ってください』 『しょうがないなー可愛い妹の為だもんなーうへへ』 『か、可愛いだなんてそんな……』 みたいな展開になるに違いない! が、しかし現実は厳しかったのである。 そう、うちにはまだ二人の従姉妹がいたのだった。
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