友達と言ってくれた男

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ブゥーン、と風景が変わった。 広く砂や岩がたくさんあった。 「へぇー、お前とやるんだ」 聞き慣れている声。 ザックス 「この試験を言うよ。お前の手で俺を殺すことだ」 「えっ?」 いきなりの言葉に驚く。 「何だよそれ。冗談はやめてくれ」 「冗談に見えるか?勝ったら生き、負けたら死ぬ。そういう試験なんだよ。親には言っているみたいだ」 ザックスが言っていることは本当だった。 俺がザックスを殺す。 そんなこと出来るわけがない。 殺せるわけない。 「んじゃ、ゲーム開始だ」 ザックスがバスターソードでクラウドに攻撃してきた。 よけるだけしか出来ない。 スピードが早い。 攻撃が出来ない。 せめて習った気絶法をやってみたいが、なかなか出来ない。 「ザックス、こんな試験嫌だ!!あんたと戦いたくない」 「そんなんだったらソルジャーになれないぜ。ソルジャーは人殺しだ。殺らなきゃやられる。お前はそれをわかって入ったんだろ?」 そう。 確かに覚悟はしていた。 でも、こんなのおかしい。 ザックスを殺せとか出来るわけない。 ソルジャーは人殺し。 人殺し。 あぁ、そうだ。 俺がザックスに人殺しと言ったから。 俺のせいだ。 俺のせいで、他のみんなも、試験者も巻き込んだんだ。 クラウドは自分を責めていた。
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