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「他の試験者はすぐに終わったぜ。5分たたずにな。最高でも10~15分かな。弱かったしな」
いつもののザックスじゃない。
俺があんなことを言ったから。
だったら、
「だったら殺してよ。どうせ俺は駄目なんだ。なれるわけがない」
弱音をはいた。
なりたいのに、簡単になれるわけがない。
無理に決まってる。
「なんだ。もう終わりか。だったら終わらせてやるよ」
ザクッと肩を突き刺した。
「ぐっ・・・」
「徐々に殺ってやるよ」
次に腕、腹、足と突き刺した。
徐々に苦しみながら殺すやり方。
早く殺ればいいのに、それすら許してくれない。
その時だ。
クラウドの体が光り、召喚した。
呼んでもいないのにヘビーモスが現れたのだ。
【ガルルルルルル!!】
「モンスターが出たか」
ニヤリと笑うザックス。
バスターソードを振り下ろしたが、素早く逃げたヘビーモス。
「やめて!もういい。もういいんだよ。何もかも終わらせたいんだよ」
ヘビーモスに言っても届かなかった。
ただ、クラウドを守っていた。
――諦めたら駄目――
何処からか声が聞こえた。
「誰?」
――ヘビーモスだよ。
主、諦めないで。
俺も頑張って主を守る
主のようになる
だから・・・諦めたら駄目――
ヘビーモスのテレパシーだろうか。
声が頭の中に入っていった。
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