僕は可愛かったんです。

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『葎(リツ)ちゃんかわいいね。』 ─────知ってる。 『葎ちゃん天使みたい!』 ─────そんなの当たり前でしょ? 『会長につり合うのは葎ちゃんくらいだよ。』 ─────よくわかってるね。 僕は橘 葎(タチバナリツ)この学園で僕より久遠様の似合う人間なんていない。あ、久遠様っていうのは僕の好きな人で、生徒会生徒会長をやってるんだぁ。ちなみに、僕は久遠様の親衛隊隊長。だからいつかは恋人にしてくれるって信じてるんだぁ。今はひどい扱いだけど、いつかは優しく頭を撫でながら葎ってよんでくれると思うから・・・。だから僕は最下位に近かった成績を10位以内にまであげ、見た目を磨いて抱きたいランキング1位、運動だって頑張った。やっぱり生徒会の方々には人気面では負けてしまうけど、それ以外の人たちに負けているところは一つもない。久遠様に対する想いが僕を変えさせてくれた。僕は一年生、久遠様は二年生になったばかり。だからまだ二年ある。僕はこれからの二年間、久遠様の近くにいよう。そう思っていた。 しかし、 『橘!お前には一年間ドイツに留学してもらうからな。』 僕は一年も久遠様に会えなくなってしまった。もちろん親衛隊隊長もやめた。でも久遠様のことをあきらめるつもりはなかった。一年経とうともこの想いは消えない。僕はさらに自分に磨きをかけて留学が終わったらもう一度親衛隊隊長のなろうと決意した。
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