第一章「辰己 仁」

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前方から先程 すれ違ったであろう目付きの悪い奴らが狭い歩道に広がり歩いて来る… ポツポツ居る日雇い労働者達が怯える様に目を背け避けるように背を向ける… トットッ… トットッ… やがて避ける事もせずに 歩道に広がり歩く連中を割るように仁が歩く… 連中「おい…あんちゃん 何をワシらのど真ん中割るように歩きよんじゃ? お前何処のボンクラや?」 8人の連中に一気に囲まれる… 周囲に居た日雇い労働者達もあたふたし出し離れゆく… 仁「あぁ?どこのボンクラてどう言う意味や?」 連中「お前 どっかの組織のもんちゃうんかい?」 仁「どう言う意味や? ワシは組のモンでもなけりゃーどっかの組織のモンでもない…」 「どかんかい!邪魔や!」 囲まれた連中の中を割るように一人の男… 「ほほ~ ほな我よそモンかぁ?」 「ワシは銀… 仲本銀っちゅーもんや…」 目付きといい表情といい他の連中とは明らかに違う雰囲気… 「この辺では仲本派言うてエエようにさしてもうとるんや…」 「周り見てみ~ ワシらが歩きよったら皆 避けよる… 何でかわかるわな?」  ニヤリと笑みを浮かべる 仁「ココラのルールか何か知らんがんなもん言われても知るかいや…」仁の目付きが更に険しくなる。 仲本が無言のままニヤリとし 何か合図を送るようにアゴを上にあげた… 「ゴンッ!!!」
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