第一章「辰己 仁」

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次の瞬間… 目の前が真っ暗になり仁 は気を失い倒れこんだ… 仁の周りには粉々に砕けたブロックの破片が散らばる… ペッ!! 仲本が倒れた仁に唾を吐き呟いた… 「ボケがぁ…」 …………………………… どれくらい立ったのだろう… 仁の視界にボンヤリ景色が映る… 「つッ!」 頭に激痛が走る… 「おぉ~!大丈夫か?」 ボンヤリした景色も次第にハッキリと目に映る。 …? 「さっきの酒屋?」 店主 「そうや!あんた店出た後で仕入れしに行こう思て外に出たんや…ほんならあんたが仲本らに囲まれたん見て いきなり連中の一人があんたの頭ブロックでどつきよった!死んだ思てびっくりしたわ! だから気をつけて言うたやろ!」 仁「ほんで助けてくれたんか?」 店主「そんな見たらほっとけんがなぁ!さっきまで店来てくれてはったお客さんや!」 仁「すまんのぉ… おやっさん今、仲本て言うてたけど知っとんか?」 店主「そら知ってるわ…さっきはあんた此処に来たばっかり言いよったから深い話はせんかったけどな…」 ボッ! 店主がタバコに火をつけた。 「ふぅ~」 深いため息と煙を吐き出し話だす。 店主「ココラのな日雇い労働者達の中にはややこしい奴らがよーさんおってなぁ… ヤクザっちゅー訳ではないけどヤクザと変わらんよーな組織がよーさんある… さっきの仲本も仲本派言うグループの頭でな… タチの悪さは西成一や… そこの商店街のワシの商売仲間も何人か店潰されたり… そこいらのいばった連中 もよーさんヤラれとる…」 仁「ほぉ~んでココラのヤクザは何もせんのんかいな?」 店主が更に険しい表情で 店の仕事をしながら話す… 店主「ココラのヤクザもなぁ、仲本を始め他の組織も中にはヤクザ以上のやり方でえげつない奴らが居ってなぁ… 変にモメるんを避けとるのが事実や…」 仁「他の組織て、よーさんあるんかいな?」 店主「大きい組織は全部で9つ… あんたをやった仲本派 岸田派 ヨンサク派 速水派 立花派 勝月派 青木派 高田派 高見派 それぞれに派閥がある… ここ最近は大きい事件は無いけど死人もよーさん出とる… その中でも 仲本 ヨンサク 高見っちゅーのは危ない… 労派てワシらは呼んどる がこの3つの労派はダントツや…」
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