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留実がこの特異捜査課に配属
されて、最初の仕事だった。
「うわぁ・・・」
事件資料の被害者の遺体写真や
現場写真を見て、留実は思わず
声を漏らした。
「ひでえことするよなあ。」
横に座っていた良太が言った。
「でも、なんでこの事件を再捜査
するんです?なにか、新しい情報
でも出たんですか?」
礼二がコーヒーを飲みながら
課長に聞いた。コーヒーは、
ここの部署オリジナルであり、
煎れるのも自身が行っている
[足利ブレンド]だった。この
コーヒーや足利が煎れたお茶に
舌を巻いていたのは、留実だけ
でなく、この部署にいる人間全員
であった。
礼二の問いに、お茶を一口飲んで
から晴男が答えた。
「一週間前、都内の倉庫が火事に
なった。その火事自体は放火で
犯人も既に捕まっている。だが、
その火事現場で白骨化した右腕が
発見された。鑑定の結果、その
事件の二人目の被害者である
清水京子さんのDNAと一致
した。それでその事件の再捜査が
決定した。」
晴男はそう説明した。
留実は、この事件に関しては
名前くらいは聞いたことが
あった。
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