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「いいじゃないですか。私は、 若手みたいにフットワークは 軽くないんで、このくらいは しなきゃ。」 足利はそう言うと、留実に 気付いた。 「あちらのお嬢さんは?」 「今日から配属された伊達留実 巡査部長だ。」 晴男はその後、留実を見て、 「足利光昭さんだ。」 留実は、足利に向かって会釈を した。光昭は、しっかりと頭を 下げた。 留実はデスクに付こうとしたが、 そこでもう一つ疑問が浮かんだ。 「課長。」 晴男は留実のほうを見た。 「何だ?」 「あの、私のデスクはどこに ありますか?」 そう聞かれた晴男は少し笑って、 「この部署には、誰のと決まった デスクは無いから、適当に 座っていいよ。」 晴男の予想外の一言に、留実は 一瞬思考が止まった。 「でも、そこの席には、課長席 って書いてますよね?」 「これは便宜上だ。」 留実は、納得したような、しない ような表情だった。 「荷物は?」 「奥のほうにロッカールームが あるから、そこに入れて。」 晴男がそう言った後、光昭が やって来て、ロッカールーム の場所へと案内してくれた。
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