『 永久の恋 』

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 幼い頃、夢を見ました。 もし私が『恋』をするなら、 かっこよく無くて良い、 愛を囁いてくれなくても良い、 ただ、ただ、 私が悲しいときに、側で黙って座ってくれる人に、 優しく笑ってくれる人に恋をしたい。 対等な立場で、思ったことを言ってくれて、一緒に悩んでくれるひとに『恋』をしたい。 でも、貴方は笑いました。 その夢は叶った? そう言って、楽しそうに笑いました。 恥ずかしいので教えてあげません。 それに、この歳になって言っても、貴方は今更だと笑うでしょう。 現実は夢とは違うけど、 苦しい時も有ったけど、 泣きたい時も有ったけど、 貴方は私の側にいて私を支えてくれました。 私は貴方の夢を共に追いかけて、戸惑う貴方の背を押しました。 私は貴方に『子供』としての優しさを貰いました。 『女性』としての優しさを貰いました。 『母』としての幸福を貰いました。 『祖母』としての宝物を貰いました。 私の過去は幸せでした。 私の現在は幸せです。 私の未来はきっと幸せでしょう。 毎日私は貴方の良い所を見つけました。 それを言うたび貴方は恥ずかしそうに笑いました。 『死んだら、天国でまた『恋』をしよう。』 それが貴方の口癖になりました。 そのたびに私は心の中で笑うんです。 『ハイ、私は貴方にまた『恋』をします。』 .
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