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最近のゲームは画像がリアルで、実際の映像と見違えそうになる。
そう思いながら、輝美は和也を睨んだ。
「和也はお兄ちゃんなんだから、教えてあげたらいいでしょ。さぁ、お昼作るから二人とも手伝って!」
輝美は泣き止んだ美鈴の手を引いて台所に立った。
「素麺ならいらないよ。トースト焼いて食べたし」
憎らしい言い方に輝美は苛ついたものの、シンクにある二枚の皿を見てほっとした。
和也が美鈴のパンも焼いてくれた事がわかったのだ。
和也なりに、美鈴を可愛いがっている。
それが輝美は嬉しくもあり、情けなくもあった。
短縮授業を忘れて、パチンコを打っていた輝美に和也を叱る資格などなかった。
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