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小野寺美代子は夫の一周忌を終え、旧友の志津子に電話をかけた。
既に両親も他界しており、子供にも恵まれなかった美代子は一人で生活していたが、最近は膝の関節に痛みを感じ始めていた。
もともと寂しがりやな美代子は、一人で生活する事に苦痛があった。
志津子は身寄りのない高齢者専用の共同施設「黄金樹」を経営しており、美代子も夫の死後すぐに入居を希望したのだが、あっさりと断られていた。
入居希望者が後を断たないのだ。
「黄金樹」は1ヶ月7万円で生活が送れる。
最初に入園金80万円がかかるものの、それも相場からみれば安い。
受け入れできない程の人気なのも納得できた。
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