始まりの旋律

49/52
前へ
/66ページ
次へ
その後 「あれ?奏ちゃんここまで来てたんだ」 と言いながら鈴音が戻ってきた。 「階段の途中だったから、ここまで上ってきたんだよ」 ど僕は言った。 「ごめんね。お待たせいたしました」 と笑顔で鈴音は言う。 「じゃあ、今度こそ帰るか」 「うん、そだね」 と鈴音は答えてくれた。 そして僕達は帰るために階段を下り始める。 そのとき ポーン と、また音がした。 先程聞いた音よりも大きな音が。 鈴音の方を見てみたが、特に変わった様子はない。 聞こえていないのかな? その音は一段下りる度に聞こえた。僕が階段を全て下り終わるまでずっと、下りる度に聞こえた。 その音は恐らく先程と同じくピアノの音。 一段一段違う音がしていたため、まるで何かのメロディーのようにも聴こえた。 ただ、頭に直接響いて聞こえてくるため、あまり心地好くはなかった。 階段を下りているとき、鈴音と何か話していた気もするが、音の方が気になっていたためよく覚えていない。
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加