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その後
「あれ?奏ちゃんここまで来てたんだ」
と言いながら鈴音が戻ってきた。
「階段の途中だったから、ここまで上ってきたんだよ」
ど僕は言った。
「ごめんね。お待たせいたしました」
と笑顔で鈴音は言う。
「じゃあ、今度こそ帰るか」
「うん、そだね」
と鈴音は答えてくれた。
そして僕達は帰るために階段を下り始める。
そのとき
ポーン
と、また音がした。
先程聞いた音よりも大きな音が。
鈴音の方を見てみたが、特に変わった様子はない。
聞こえていないのかな?
その音は一段下りる度に聞こえた。僕が階段を全て下り終わるまでずっと、下りる度に聞こえた。
その音は恐らく先程と同じくピアノの音。
一段一段違う音がしていたため、まるで何かのメロディーのようにも聴こえた。
ただ、頭に直接響いて聞こえてくるため、あまり心地好くはなかった。
階段を下りているとき、鈴音と何か話していた気もするが、音の方が気になっていたためよく覚えていない。
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