怨奏指揮

悲しきメロディー

そんなことを思いながら、昇降口へと向かう。
早い時間に学校に着いたので、今登校している生徒はほとんどいなかった。
昇降口で靴と上履きを履き替えると、自分の教室へと向かう。
こんな時間に学校へ来ても特にやることはないのだけれど、とりあえず教室へ行った。
教室に行っている最中には、誰ともすれ違わなかった。教室に着いても、中にはまだ誰もいない。
まぁ、当たり前か。
そんなことを思いながら、自分の机に向かった。
鞄を置いて、今日持ってきた教科書やノートなどを机に仕舞う。
最後に残ったのは、フルート。
さて、これはどうしよう。
教科書などと一緒に、机に仕舞うわけにはいかないだろう。
高校生になっても、教室ではしゃぐ輩もいる。
そんな教室にある机に、借り物の楽器を入れてしまって、万が一のことがあったら、あまりになさけない。