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それでも悲しいメロディーは、悲しいまま。
何も変わらなかった。
せっかくの優しいメロディーが、一気に台なしにされた気分だ。
最初の優しいメロディー、そこから一気に落ちる暗いメロディー。
悲劇の物語を表すのにはピッタリな感じだな。
そんなことを考えながら僕はフルートを、三つにばらし、ケースにしまう。
そろそろ他の生徒も登校してくる時間であろう。
いつまでもフルートを吹いているわけにはいかないし、さっきのメロディーは他の人にはあまり聴いてほしくはない。
そもそも、一人教室でフルートを吹いているのを見られたくはない。目立つのは嫌いなので。
そんなことを考えながら、フルートを入れた鞄を後ろのロッカーに仕舞う。
学校が始まるまでの時間は、まだかなりある。
僕は机からノートを取り出して少し勉強することにした。
昨日の数学でもやるか。
昨日の授業で、あまり聞いていなかった数学のノートを取り出し、見る。
それだけでもある程度頭には入ってくる。
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