悲しきメロディー

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しばらくすると教室に生徒が次々に入ってくる。 朝のホームルームまでの時間はあと二十分ほど。 みんな早くから登校するんだな、と感心しつつも僕は自分のノートを見ていた。 ホームルームまで残り十分ほどになると、教室にはこのクラスのほとんどの生徒が登校していた。僕がいつも来る時間もこのぐらいであろう。そして鈴音も、 「おっはよ~、奏ちゃん。今日はあたしより早いね」 この通り、このぐらいの時間だ。 今、鈴音が言ったように普段僕は鈴音よりも来るのが遅い。といっても大して差はないのだが。 「今日は何故か早く起きたからな」 と言っておいた。 実際は、起きたのは少し早かっただけで、家を早く出たからであるが、別にその説明はいらないだろう。 なんで早く来たの? と聞かれても面倒なのでな。 鈴音は僕に朝の挨拶だけすると、そのまま自分の席へ行った。
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