悲しきメロディー

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次の授業はなんだっけ? と考え、授業の準備をしていた。 学校での一日が、今日もまた始まった。 一時間目、二時間目、三時間目と終わり、昼休み。 今日も学食へと向かってみるが、生憎ながら満席であった。 昨日階段を下りる際に聞こえた音は、今日は聞こえなかった。 僕は、仕方なく購買で適当に買って昼食にした。 場所は教室。 誰と話すこともなく、一人でただ黙々と食べていた。 別に友人がいないわけではない。 朝に奏でてしまったメロディーが頭から離れず、僕はずっとそのことだけを考えていた。 周りからみれば話しかけずらかったのだろう。 まだ出会って数ヶ月しか経っていないのだから当たり前だ。 大して仲が良いわけでもないのに、こんな状態の奴に話しかけることができる、そんな神経の図太い人はそうそういない。 独りで昼食。 こんな光景を鈴音に見られたらなんて言われるか。
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