4人が本棚に入れています
本棚に追加
教室にあるロッカーにいつもならある鞄もなかったので、恐らく帰った、あるいは、学校内で何か用事があったのだろう。
いない人のことを考えていても仕方がないので、僕は一人で音楽室へと向かうことにした。
ロッカーから鞄をとり、帰り支度をして向かう。
一人で歩く音楽室までの道のりは、鈴音と歩くときと違い、とても長く感じた。
実際に長い道のりではあるが。
そんな長い道のりも終わり、音楽室の前。
ノックをしてみたが返事はなかった。
鍵は開いていたため、「失礼します」と言って中へ入ってみる。
音楽室の中に先生の姿はなかった。
不在なのだろうか?
鈴音がいない今、僕の目的は先生への質問だけとなっていた。
先生が不在ならば、音楽室に居る意味は何もない。
ここならば、このフルートに関する物もありそうな気はしたが、勝手に色々と漁るのは流石にまずい。
誰もいない音楽室、僕はここから立ち去ろうとして、ドアへと手を伸ばす。
そのとき、奥の方から『ガタッ』と音がした。
僕は振り返り周りを見るが、物が落ちた様子はない。
最初のコメントを投稿しよう!