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そんな立ち止まっている鈴音に後ろから声をかけた。
「どうかしたか?」
「あのね奏ちゃん、この学校の怪談って聞いたことある?」
鈴音はこちらを向かず、急に声のトーンを落としシリアスな雰囲気で話す。
「怪談…?
よくある七不思議とかそうゆうのか?」
「うん」
「この学校の怪談かぁ。聞いたことないな」
この学校でも友人は何人かできた。
だが男子の会話など、どこのクラスの誰が可愛いとか、あの教師は面倒だの、漫画やテレビ、日常の他愛のない会話程度。
学校の怪談の話しなどは話題にならない。
怪談などの噂話は女子のほうがよく話すであろう。
「この学校ってね、音に関係する怪談が多いの」
振り返りこちらを真剣な眼差しで見つめながら鈴音は言った。
「音?」
「そう、音。これはどこの学校でも有名な怪談だけど、誰もいないはずの音楽室からピアノの音が聞こえてくるとかあるでしょ?」
と、言いながら鈴音はやっと前を向き階段を下り始める。
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