始まりの旋律

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「それは確かに有名だよな」 僕も鈴音に続き階段を下りはじめる。 「他にもね、音に関係する怪談が沢山あるの」 階段を下りながら鈴音は続ける。 「例えばこの階段。一段下りるたびに音が鳴る、とかね」 「音が鳴る?階段から音がするのか?」 「正確にはちょっとちがうかな?頭に直接聞こえてくるんだって」 階段を下り終わった鈴音が言った。 僕も下り終わり 「頭に直接ねぇ。どんな感覚なんだろうな?」 学食に向かうため右へ行く。 「う~ん、わかんない。そんな経験したことないもん」 そう言った鈴音の声は普段のものに戻っていた。 「まぁ、ただの怪談話だろ。どっちもただの噂なんだからどうでもいいことだろ」 そんな会話をしているうちに、目的の学食にたどりつく。 「さってと、席は空いてるかな」 そう言いながら僕は学食の空いている席をさがした。 ちょうどいいところに空席があった。 「鈴音あそこの席でいいか?」 そういいながら僕が指差したのは学食の真ん中のほうの席。 周りにはすでに昼食をとり始めている生徒ばかり。
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