夢心地

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式場へ向かう。 風の音もなく空気が重かった。 一歩一歩が重たくなる。 もうすぐハルキの別れ。 あまりの辛さにうつ向いて歩いた。 式場は白と黒で染められていた。 知ってる人や知らない人、クラスメートや学校の先生たくさんの人がハルキを見送りに来てた。 正面のあの箱の中にハルキは寝ている。 もう二度と目を開けることはない。 近く行きたいけど怖かった。 認めたくなかった。 ハルキ死を認めたくなかった。 だから近く行けない。 なのに母に手を引かれハルキが居る箱の前に来てしまった。 母「ちゃんとお別れしなさい」 分かってる。 分かってるけどやっぱり認めたくないんだよ。 恐る恐る箱の中を覗いた。 箱の中で寝ているハルキはまだ生きているようだった。 耳元で怒鳴れば起きるのではないか? 殴ればまたケンカ出来るのではないか? そんなコトを思ったが鼻や耳には微かに見える綿。 現実に引き戻され俺は泣き崩れてしまった。
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