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数分後、ハルキの家に着いた。
チャイムを鳴らすとインターホンにハルキの母が出た。
ハルキ母「はい、どちらさまですか?」
龍二「赤西です」
ハルキ母「ちょ、ちょっと待ってて!!」
ガチャン!と受話器を置く音がし、慌てすぎて鍵を開け忘れドアノブを回す音がしてドアが開くなりハルキの母が飛び出してきた。
その目からは涙が溢れていて、まるで迷子になった子供の母のように“ごめんねぇ”と涙を流しながら繰り返していた。
俺の母は近所迷惑になるからと家の中に入った。
玄関に入っても泣き止むことのないハルキの母。
ハルキの母の背中を撫でる母。
突っ立ったままの俺。
この状態が何分経ったのだろうか。
ハルキの母は少しは落ち着きを取り戻し、やっと居間に上がった。
俺の母は上がるなり台所へ行きお茶を用意していた。
俺は仏壇に手を合わせた。
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