雅と葵と初めまして

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そもそも学年が違い、部活もしていない二人に出会う機会なんてなかった。 接点といえば、お互い割と校内で名が知れていること。 葵は入学当時から成績がトップだったし、高校生にしては落ち着いた雰囲気があり、教師にも生徒にも慕われていた。 一方雅は、成績こそいいものの、人とあんまり喋らないし、嫌なことは嫌とはっきりいうし、一見疎まれそうな存在である。それでも彼女を嫌うものがあまりいないのは、いざという時の機転の早さや、行動力を持っているからだった。 雅はどうかはわからないが、葵は雅の存在くらいは知っていて、しかしこれといって気にするわけでもなかった。 だからあの日、葵が珍しく寝坊なんてしなければ、そのまま関わることなく時は過ぎていたかもしれない。
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