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どれくらいの時間がたっただろうか。
ジュースいつのまにかなくなっていて、外からの光りが入らなくなった図書室は、ほかの教室より薄暗くなっていた。雅が写真集を閉じるとほぼ同時くらいに、下校時刻を知らせる音楽がスピーカーから聞こえて来る。
『帰りましょうか。』
葵は椅子から立ち上がり素早く身支度を済ませ、雅が身支度をしている間に写真集を棚にもどしにいった。
相変わらず喋らないな…。
元々雅はあまり喋らないが、本人いわく面倒臭いらしい。色々と話したいのは山々だが、一方的に話すと、今度はうるさいと怒られてしまうため、葵は彼女の意志に従ってなるべく静けさを保つ。
司書に軽く会釈をし廊下にでてみれば、空調がなされていた図書室とは違い、廊下には11月のひんやりとした空気が漂っていた。
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