まえがき -prologue-

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「嫌だね。何故なら俺は、  自由で気ままな男だから」 「自由で気ままな男だから」 少年の言葉の後半、二人の声が重なる。 「『蒼髪のルナ』第3巻35ページ5行目初出。リックの口癖ですね」 「わぉスゲ、ピッタリ。伊達に図書館の館長はやってねぇな、コント」 その少女ーーコントはヤレヤレと両手を挙げる。どうやら手伝う気が無いのは把握したようだ。 再び作業に戻るコントは、不機嫌に少年に訪ねる。 「で、読人?次の『物語』にはいつ行くんです?かれこれ3日はここに滞在していますが……」 今度は読人と呼ばれた少年が両手を挙げる。 「わーってるよ、腹を満たしたりしてただけさ。すぐにでも行くよ」 「そうですか。もう皆さんはバリバリ動いているんですからね、貴方も働いて……」 と、コントは視点を目の前の本からカウンターの向こうへと移すが、そこには読人は無かった。すぐさま辺りを見回すと、ホール横の廊下に全力疾走する彼の姿が見られた。 「ちょっと!逃げるんじゃありません!話はまだ終わってませんよー!」
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