異世界到着

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「ところで聞きたいんだけどさ」 「なにかしら?」 「魔術の使い方わかる?」 どうやら魔術を教わりたいらしい 「まぁ…わかるけど私は使えないのよね…」 マリアは魔術が使えないらしい その事に対してアキラは不安そうな顔をする 「そうなの?」 「この世界は魔術が使える人が全体の四割なの その人達は魔術を使うのに必要な力 まぁつまり魔力が少なくとも一般人の十倍くらいはあるの」 その言葉にアキラは首を傾げる 「一般人の十倍くらいって事は一般人も魔力はあるんだよな… じゃあなんで一般人は魔術を使えないんだ?」 「正確にいうなら一般人は使えないんじゃなくて使わないの こっちの世界の人は魔臓って魔力を溜めておける臓器があるんだけど普通の人は容量が少ないから少し魔術を使っただけで魔力が空になって倒れるわ だから使わないの ちなみに魔臓の容量は血筋によって変わるから貴族なんてのは昔から魔臓容量の多い人間がゴロゴロしてるわ まぁ…突然変異で容量の少ない貴族や容量の多い一般人もいるけどね とりあえずここまでわかった?」 「なんとなくわかった」 深く頷いてはいるアキラに対して本当にわかったのかという視線をマリアは向けている がアキラは気付いていないのか無視しているのかサラリと話を戻す 「それより 魔術の使い方は?」 「ああ、そうだったわね 魔術は基本的にイメージよ」 「イメージ…って例えば火なら燃えているイメージとか?」 「そうそう そのイメージをしっかり固めて 魔力に乗せて放出する感じ」 簡単に言ったが一つ問題があった 「魔力を放出する事がわからない」 少なくとも地球上の人間で魔力の放出の仕方がわかる人間はいないだろう 「そこから…? じゃあ…えーと… まずは手を突き出して」 言われた通りに手を突き出す 「手神経を集中させると手の平熱くなるはずよ」 アキラが言われた通りやってみると手の平が熱を持ち始めた 「その熱が魔力よ」 「…しょぼくない?」 「訓練すれば人を吹き飛ばせるくらいにはなるわよ それより 今日中に町に着くのは無理ね もうすぐ日が暮れるわ」 太陽は既に地平線に沈みはじめていた 「今夜はこの辺りで野宿ね」 アキラにとって人生初の野宿だった
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