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それから数分後
野宿に適した岩場を見つけた2人は鞄に入っていた缶詰めで夕飯をすませてから魔術の話を再開させた
「さて、魔術の話になるけど
呪文とかって必要なのか?」
某魔法学校で勉強する魔法は呪文があったがこちらの世界で呪文が必要なのか
アキラはそう考えての質問だった
「必要ないわね
魔術の基本はイメージだから
呪文なんてのはイメージの補助にすぎないし
初心者でもないかぎり長ったらしい呪文言って奴はいないわね
聞いてて鳥肌がたつような呪文を言ってる奴なんて…ね」
この時のマリアの表情が微妙に暗くなっていたのにアキラは気付かなかった
「そっか…他に何が必要な物とかないよな…?」
「イメージとある程度の魔力だけ
さっそく練習してみたら?」
「練習って…
まぁやってみるか」
そう言うとアキラはイメージを始めた
(といっても…魔術のイメージってなんだろ…
あ~某竜クエストの魔法とかのマネしてみたら…できないかな)
「イメージできたかしら?」
(そう簡単に言われても…
そう言えばメラ○ーマってちっさい太陽みたいだな…
太陽…といえばよくテレビのCGで見てたし…
イメージしてみっかな)
「よし、想像するのは決まったし…
手を突き出して…この場合は掲げてかな?
集中…」
小さく呟きながら魔術発動の手順を踏むアキラ
そして…イメージを固めた瞬間
高らかに掲げられたアキラの手の上には軽自動車くらいは丸ごと飲み込めそうな火の球もといミニ太陽があった
そのミニ太陽せいで周囲は昼間の砂漠のような気温と明るさになった
「あの…ちょっと眩しいし暑いんだけどそれなんとかして」
ミニ太陽の影響にマリアはいらだち始めている
「むしろどうすればいいの」
アキラはただオロオロするだけ
「とにかくどっかに向けて撃って!」
暑さと眩しさでマリアの頭に血がのぼりはじめたようだ
「撃つってどうやって!?」
アキラは混乱している
「投げるにせよ押し出すにせよなんでもいいから!!」
もはや完全に怒ってらっしゃる様子
さりげなく理不尽である
それに気圧されたのか
「せいっ!!」
とアキラのかけ声によってメラ○ーマことミニ太陽は数十メートル先の地面にぶつかり弾けた
「…あの…
地面抉れてるんだけど…」
着弾点は隕石がぶつかったように抉れていた
「手加減しなさい!!」
「ごめんなさい!!」
マリアに怒られ素直に謝るアキラだった
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