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「それで…今から行くイリアだっけ
なんかすごい平和そうな国だけどその国を最初に選んだ理由は?」
アキラはマリアに殴られた頭をさすりながら疑問をぶつける
「平和…一番似つかわしくない言葉よ、それ」
「へ?」
アキラが石化する
「イリアが信頼の国って言われているのは【信頼がこの国には無い
でも必要だし願いを込めて信頼の国という通称にしよう
どうせ他国は国の表面しか見ないしバレないバレない】って事であくまでも自称してたのが広まっただけよ」
マリアの衝撃発言により石化したアキラにひびがはいる
「じゃあ治安は…」
アキラは藁にもすがる思いでこの質問をしたが
「たぶん世界最悪
ちなみに他国との戦争もしてるし内戦とかクーデターとかも夏のお祭りレベルで起こってる」
マリアのとどめの一言にアキラは崩れ落ちた
「最悪だろ…その国…」
「そんな国だから悪人がいる可能性があるのよ」
理屈はわかるがアキラはすでに精神的ダメージが大きすぎて話の半分も耳に届いていない
「…というかなんであんたそんなにへこんでんの
別になんも怖いことないでしょ」
「いや、怖いからね!
そんな治安悪い国怖いから!
いつ刺されるかわかんないしいつ襲われるかわからないから!」
どことなく卑猥な言い回しだが正論ではある
「今の私達は突かれようが刺されようが撃たれようが死なないじゃない…」
マリアはだいぶ呆れているがアキラはまだ真剣だ
「死なない根拠は…」
「神様が言ってた」
「それ以外はないじゃないか!」
「はぁ…まあ明日には城下町にははいれるし
どのみちこの国の領土通らなきゃ他国にはいけないから
行かないなんてわがままいわせないわよ」
その言葉にアキラは深く沈んでしまった
結局この日は
なれない魔術の使用や精神的疲労などからもアキラは強力な睡魔に負け
マリアは話相手がいないと暇だという理由ですぐに寝てしまった
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