階段

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介護生活への始まり・始まり… 夕方、義父から電話がかかって来た。 「ちょっと来てほしい。」 少し深刻な声。 嫌な予感と、大した事ではないだろうに又、何か大袈裟に言ってるのか? と、考えながら 面倒だな… 隣に建つ義父の家へ向かった。 玄関に入って声をかけると 田舎なので… 殆どの家は鍵をしない。 結婚したばかりの頃、鍵をしていたら “昼寝でもしてたの?” と誤解された程… 良い見方をすればオープンな土地柄。 悪く言えば、プライバシーが無い。 訪問販売[押し売り]の勧誘などは商売がしやすいかもしれないね? いつも玄関が開いてる訳だか一応、その家の人と交渉[セールス]出来るから。 「二階にいるからちょっと来てくれ。」 「はい、はい。」 私だって忙しいんだから。 と、ブツブツ呟きながら… 二階へ上がると、 「さっき階段を降りる時、最後の一段を踏み外して尻餅をついた。 尻が痛いから湿布を貼ってくれんか?」 と言いながら、ズボンを下げてお尻を出した。 義父のお尻に湿布なんて貼りたくはないが、痛みで尻まで出してるんだから仕方がない貼った。 旦那が帰って来る迄、痛みは湿布で様子を見て貰う事にした。 でも又、二階へ上がって行けたんだから大した事は無いよね。 と軽く考えていたが…
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