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ビシッ!
「っし! 今の良いんじゃね? どうよ一哉?」
「いいや、まだまだだな。お前は腰に重心が乗ってないんだよ。だから曲がる」
「いや、でもなぁ……指が変に引っ掛かっちゃうんだよ。だからフォームに集中できn」
「えぇい! つべこべ言わずにもう一回!!!」
「あぁ……言われなくても、やってやるよ!! セイッ!」
ビシッ!!!
「お、今のは良かったんじゃないか? 今の感覚を忘れるな。よし、もう一k――」
「てめぇら! いい加減にしろぉ!!!」
「……よし、飛沫。もう一回いけ」
「御意」
ビシッ!!!
「いでぇっ!!! だから止めろって!」
「……どうした、芳川。寝起き早々うるさいな。俺達はただ練習してるだけだぞ」
「黙れ! どこに寝てるヤツの背中を的にして輪ゴム飛ばしの特訓やるバカがいるんだよ!? 暇すぎるだろ!」
「……ウザくね?」
「話を聞けぇッ!!!」
今は3時間目が終わり、休み時間。
俺と一哉は最近輪ゴム飛ばしにハマっている。何か的がないかな、と探した結果、目の前に授業からずっと寝てる芳川の背中があった。
それを的にした、ただそれだけだ。反省も後悔もしていない。
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