あの日あの時あの瞬間

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◆◆◆◆◆ ピーピピ!ピーピピピ!ピーピピピピーーガシャッ!………… 「ったく……うるせぇっての。ずっと起きてたっつーの」  俺はもはや雑音でしかない目覚まし時計を止める。決して下ネタを連発していたわけではない。今の音は目覚まし時計の音だ。  俺は起きられるからこんなものは必要無いんだけどな。他の3人が起きられないせいで、俺が一部屋に一個しかない目覚まし時計を止める係になっている。……迷惑極まりない。 「あー!! 飛沫! お前、時計へこんでんぞ!!」  ん、一哉が起きたみたいだ。頭が寝癖で凄いことになってる。  時計……? あー、確かに心なしかスイッチの所らへんが陥没してなくもない。 「お、一哉おはよう。あと、時計は俺じゃないよ。今見て気付いたし」 「時計の横にあるお前のバットが動かぬ証拠だけどなぁ!?」  クッ……ぬかったか。確かに今朝は気が立ってたから、ついバットで止めようとしちゃったんだよな。 「……まぁ、いいじゃんいいじゃん。なんたって今日は――――」 「「甲子園行き決定の日!!!」」  おぉ、ハモった。流石相棒。俺達はニカッと笑い合う。  ――そう。何を隠そう今日は西東京予選の決勝なのだ。一年生の俺達は出れないが、なんせ我が来栖(クルス)高校の10年ぶりの甲子園出場をかけた試合。興奮しないわけがない。おかげさまで俺は昨日寝付けなかった。 「おい!! 晋、芳川起きろ! 今日は試合だ試合。遅刻したら監督に大目玉だぞ!!!」
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