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ワーワー キャーキャー キャッチョットムネサワルトカマジアリエナインデスケドー
場所はかわって決勝が行われる神宮球場。
聞いてのとおり、試合前から応援団やチアもみんな集まって、凄い歓声だ。
「やっぱり凄いな。この雰囲気」
隣に立っている一哉が話し掛けてくる。因みに芳川はトイレに行っていて今はいない。
「ああ。決勝だからな。一般の人も多いし」
俺がそう返すと、一哉は何か思い出したようだ。
「あ、そう言えば、なんか昔の甲子園出場した時のOBも総出で激励に来るんだってよ」
「うわ、プレッシャーだよな~」
言われてみれば確かにいつもよりOB席はかなり広くとられている。
球場を見回していると時計が目に入る。そろそろ試合開始か。
「おい、飛沫!! もう出てくるぞ!」
「集合ッ!!!」
審判が選手の集合をかける。
「「ウオォォォォッ!!!」」
そして両チームが声を上げて雪崩のように駆け込んでくる。
お、アイツもいるじゃん。
「ははっ、見ろよ。晋のヤツが大声出して走ってるぜ」
一哉がグラウンドの晋を見て笑う。
「ああ、なんかシュールで面白いな」
そう、“アイツ”ってのは同部屋の少しおとなしい仲間、叶晋だ。一年生で唯一ベンチ入りを果たした。俺達の羨望の眼差しの的であり、誇りだ。背番号は18。ポジションは投手。
「では、これより決勝戦来栖高校対大興学院の試合を始めます!!! 互いに礼ッ!!」
「「お願いしますッ!!!」」
決勝戦が始まった。
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